Case 4『日経BP』の裏側

Case 4 スローガン

日経BP

添田 将平(シニア・デザイナー)

書籍『事例で学ぶブランディング ランドーのデザイン戦略大公開』に収録する事例をプロジェクト担当者が舞台裏や背景を交えながらご紹介します。

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このプロジェクトにどのように関わったのか?

このプロジェクトは、日経BPが創立50周年を機に、次の50年に向けた新たなスタートとして位置付けられたものでした。

私はブランドの根幹となるブランドコンセプトの開発から、スローガン開発、VI開発、ブランド浸透まで、クリエイティブにおけるリードとして現在も携わっています。その中でもスローガン開発は思い出深いものでした。

日経BPのスローガンは「言葉の力」を誰よりも知る従業員の心を捉え、行動を喚起するものでなくてはなりませんでした。そのため、プロジェクトを進行するブランディングパートナーをはじめ、ストラテジー、クリエイティブといった全員が一丸となり、あらゆる視点からブランドを見つめ議論を重ねました。ブランドを体現するふさわしい言葉は何か?これを広げては絞ってを繰り返しながら言葉を磨いていきました。

私自身がブランドを創造する過程で常に感じることですが、本質を捉え表現することは容易ではありません。深く、さらにもっと深く突き詰めた先にしか本質は見えません。この当たり前を再認識したプロジェクトでした。

「その先を見る。その先を解く。」まさに私たちがクライアントと共に突き詰めた「その先」に生まれたものが、このスローガンでした。

『事例で学ぶブランディング』発売に際して皆様へのメッセージをお書き下さい。

2004年に出版されたランドー1冊目の書籍「ブランディングデザインの裏側」。

私がデザイナーになって間もない頃、当時勤めていた会社の本棚にあったこの本と出会い、ランドーという存在を知り、憧れを抱きました。その時の胸のトキメキは今でもはっきりと覚えています。

そうした自分が今は縁あってランドーの一員として本を執筆し、出版する側に立ったことは感慨深いです。それもこれも、あの1冊に出会ったことから全てが始まったと言っても過言ではありません。

そんな想いを密かに持ちながら、ランドー2冊目となる「事例で学ぶブランディング」の制作に携わりました。

本書は、今の私たちのアプローチや手法を余すことなく、本当に大公開しています。ただのデザイン本ではなく、強いブランドを生み出すための実用書を目指しました。どうすれば読者にわかりやすく伝わるかを議論し、模索し、心血注いでつくりました。正直大変でしたが、その分充実した内容になったのではないかと思っています。

本書がデザイナーやストラテジストの方だけでなく、ブランドに携わる多くの方に届き、インスピレーションのきっかけになれば大変嬉しく思います。

そして何より、若き日の私が感じたように、誰かの心に深く届くような、そんな存在の本になってくれたらいいなと、大げさですが思っています。

是非、手にとってご覧ください。

添田 将平(Shohei Soeda)

ブランドコンセプト開発からネーミングやデザイン開発、ブランドエンゲージメントの策定までリードして行うシニア・デザイナー。ランドー東京が目指す「ビジネス・クリエイティビティ」を最も発揮しているメンバーの一人。

個人のクリエイティブ活動であるフォトグラファーとしても活躍。本書で紹介された株式会社スタジアムのブランディングでは、フォトスタイルのディレクションから撮影までを一貫して手がけた。

LandorBook_0事例で学ぶブランディング
ランドーのデザイン戦略大公開
ISBN:978-4-8025-1144-5
定価:本体2,800円+税
仕様:B5判/192ページ
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社 (2020/4/20)
著者:ランドーアソシエイツ
デザイン:ランドーアソシエイツ
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