Creative Lab: FMCG考察「安全・安心を伝達するパッケージ」

Creative Lab

この数ヶ月で、自分たちの生活の中には、
今までに無かった新しいマナーや工夫がたくさん生まれ、浸透しました。
そんな中ふと思いました。
「エレベーター等のボタンを押す際に、自分の指の代わりになってくれて
且つ、後の人の為に消毒も出来る、そんな便利なツールがあったら?」
この架空の消毒デバイスのパッケージデザインを今回の研究テーマとしたいと思います。

より多くの人に手にしてもらう事を目標に、
「FMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費材)のパッケージデザインで
安全、安心をどう伝達するか」を検証してみたいと思います。
書体、色、形状、グラフィック、写真/イラストなどのスタイルによって
パッケージの印象がどう変わるのかをプロトタイプしてみました。
握りやすく、人差し指で押すのと変わらない動作で押せる、架空のプロダクトと
そのパッケージのデザインです。

プロトタイプA 「安全・安心」 X 「機能価値」
(誰からも分かり易く、効果を期待できる)

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除菌ポインター”ハンドウィズ”

商品名は「あなたの手にいつでも除菌パワーを携帯できる」頼れる相棒という意味です。
不安な気持ちに寄り添う思いやりにタフネスを兼ね備えた、
柔らかさと強さのあるロゴとしました。

夕方、ドラッグストアやスーパーで大急ぎで買い物をしている、
そんな短い時間のなかで、商品の特徴をスピーディに明確に伝える為に、
インパクトを持ってハッキリと名乗ったあと、
「どんな問題をどのように解消し、何をもたらしてくれる商品なのか」
を説明するコピーには可読性と視認性の高いフォントを使用。

百聞は一見にしかず、具体的な使用シーンのイラストを
入れる事で、いち早く使用方法への理解を深めてもらう事が出来ます。

デバイス形状は親しみを持たせるため、ペンギンの姿をもとに、握りやすくデフォルメ。
また、信頼感を伝えるため、重厚なブルーグリーンをメインカラーとしました。

例えると、親しみ易く清潔感のある、健康的なアナウンサーが
平易な日本語で滑舌よく、順序よく、抑揚のある声で
説明してくれているイメージです。

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Tranceparent

プロトタイプB 「安全・安心」X「提供価値」
(抵抗感なく常に携帯でき、スタイリッシュに安全・安心を得られる)

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Osh (オッシュ)

あからさまな除菌用品を使用する事に抵抗を感じやすい層に向け、
一見して何なのか分かりにくいほどにプロダクトをシンプルにすることで
新しいものにアンテナを張っている層に「これは何だろう?」と
手にとってもらう事を目指しました。
シンプルであることで、ジェンダーを限定せず、
どんなファッションにも馴染み易く、毎日持ち歩けるという価値も高めます。

カプセルのような丸みのある形状とスモーキーな優しいブルーで
安心感を伝え、形状が全方向から透けて見えるパッケージで、
デバイスそのものをアピールします。

商品名はスタイルを表す言葉として捉えた造語で、
化粧品やアパレルのブランドネームのような印象を与えるロゴとし
キャッチコピーは新しいフェーズへの前進を促す、ポジティブな文言としました。

ベネフィットはカジュアルな書体で主張しすぎないように、
商品特徴はガジェット系スペック表示のようなアイコンの形式をとり、
淡々とした印象でまとめ、最終的な価値判断はあえて相手に委ねています。

例えると、シンプルなものを集めているインテリアショップで
何気なく手にとった新商品について、
ショップ店員がさりげなく説明してくれているイメージです。

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架空の商品とはいえ、老若男女に広く「押すたびにボタン除菌」の習慣を広げる為に
どのような表現の可能性があるか、検証してみました。

この2つにとどまらず多様なターゲットについて、
限定せずにイメージを広げるアタマを、鍛えていきたいです。

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Nanae Kezuka / Designer

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