Case 1『渋谷スクランブルスクエア』の裏側

Case 1 エリアブランデイング

渋谷スクランブルスクエア

佐藤 正志(シニア・デザイナー)

2020年4月に発売した『事例で学ぶブランディング ランドーのデザイン戦略大公開』に収録する事例をプロジェクト担当者が舞台裏や背景を交えながらご紹介します。

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このプロジェクトにどのように関わったのか?

本プロジェクトには、ブランドマーク開発の前段階であるネーミングの段階から携わりました。これからの渋谷を象徴する施設ということもあり、プロジェクトに対しては高揚と責任を同時に感じていたと覚えています。

一連のプロセスの中で、渋谷という街の歴史やキャラクター性、これからの姿等をチームのメンバーで議論してきましたが、メンバーによって、同じイメージを抱いている点もあれば、年齢等による違いも見られ、街が持つ多様な一面を再認識しました。

それらは、デザイン開発においてアイデアを思考する源泉となり、名称コンセプトにある多様な人々が「交流/混じり合う(SCRAMBLE)」というキーワードに繋がっていきました。

また、デザイン開発の際のユニークな点として、エリア全体を象徴するブランドマークと併設される施設のブランドマークを並行して進めたことが挙げられます。

全体の統一感を重視するのか、各施設の個性を際立たせるのか。そのバランスが重要でしたが、並行して開発した結果、双方のアイデアが混じり合うことで統一感と個性を伴ったデザインとなりました。

大規模な事業の場合、デザインの決定から対外的な発表まで数年単位の時間を要することもあります。

本件においても、渋谷駅周辺の変化をリアルタイムで追いながらオープンを迎えられた体験はエキサイティングであったとともに、これからの発展がとても楽しみです。

『事例で学ぶブランディング』発売に際して皆様へのメッセージをお書き下さい。

ブランディングという言葉を、見聞きすることは多いと思いますが、ブランドはロゴだけで成り立つものでもありませんし、その中身は多岐にわたっており、進化を続けています。

そうした中で本書では、我々ランドーが今まさに実践している「生きたブランディング」をご覧いただけます。

プロジェクトの流れから、デザインやネーミング、施策といった具体的な内容まで、様々なブランディングに対する興味に応えた構成になっています。

ブランディングを調べていてランドーに関心を持たれた方、お仕事でブランド力を強めたいと考えている方、デザインの裏側を知りたい方、そうした様々な視点で楽しみ、活用いただくと同時に、ブランディングに対する新しい発見や驚きを見出していただく1冊となれば幸いです。

0I2A2248_thumbnail佐藤 正志(Masashi Sato)

クリエイティブチームのリーダーとして、CIのデザインコンセプト開発からデザインガイドライン、映像制作、ブランドエンゲージメントの策定まで一貫して担当。主なクライアントとして、三井住友信託銀行、三井不動産、明治、東急不動産、東レ、新日鐵住金、JXTGグループ、日建設計、エネトピア(鳥取ガス)など。

LandorBook_0事例で学ぶブランディング
ランドーのデザイン戦略大公開
ISBN:978-4-8025-1144-5
定価:本体2,800円+税
仕様:B5判/192ページ
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社 (2020/4/20)
著者:ランドーアソシエイツ
デザイン:ランドーアソシエイツ
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