今回は、天然染料「ヘナ」を用いて
五感のうちのひとつ、「触覚」を意識したMANDALINGに
挑戦したいと思います。
「ヘナタトゥー」はヘナの葉を乾燥させて粉状にしたものを水で溶いてペースト状にし、
細い袋から搾り出しながら緻密な文様を描く伝統技法。
ペーストを剥がした後の赤色が、濃ければ濃いほど幸先が良いとされ、
肌のターンオーバーに伴い、10日前後で文様は消えていきます。
今回は、天然染料「ヘナ」を用いて
五感のうちのひとつ、「触覚」を意識したMANDALINGに
挑戦したいと思います。
「ヘナタトゥー」はヘナの葉を乾燥させて粉状にしたものを水で溶いてペースト状にし、
細い袋から搾り出しながら緻密な文様を描く伝統技法。
ペーストを剥がした後の赤色が、濃ければ濃いほど幸先が良いとされ、
肌のターンオーバーに伴い、10日前後で文様は消えていきます。
ヘナパウダー、コーヒー(または紅茶)、レモン汁、砂糖を調合して練った後、
ひと晩寝かせます。
カフェインとレモン汁が発色を良く、
砂糖の粘り気がラインを描き易くしてくれるはず。
ヘナ(ツマクレナイノキ・エジプトイボタノキ)は
エジプト、インド、アフリカ、イランなどの乾燥地帯に育つミソハギ科の低木で、
5千年以上前から、ボディーペイントだけでなく、馬の立髪の染色、
皮膚や髪の健康を保つハーブ薬としても用いられてきた天然ハーブ染料です。
かのクレオパトラも爪を赤く染めるのに用いていたとか。
今開発されて、5千年後にも世に残るものはあるだろうか?
気の遠くなるような永い歴史に、神妙な気持ちにさせられながらのMANDALINGスタートです。
やり直しが効かないライヴ感と、キャンバスが人体、しかも自分の手…
というのがこのMANDALINGの醍醐味。
ペーストが肌に上手く沿わない時や、ラインが逸れてしまう時は、
両手で握りつぶしたくなる衝動を必死に抑えながら、丁寧にラインを植えこんでいきます。
上手く描けている時は、描かれているほうの手も大いに喜び、
達成感は二乗以上。
手のひらに太陽の光が振り注いだ時に感じる暖かさ。
描いたあと8時間ほどおいて、土色のペーストを剥がすと、
力強い赤褐色が現れました。
人間のアイデンティティの象徴である一方、汚れや痕跡ともとれる指紋。
陽光に触れようとする人間の欲求を指紋で象徴しましたが
もちろん実際には太陽の恵みを享受するだけで、こちらから触れるなど絶対に不可能なこと。
畏怖の念を忘れ、逆鱗に触れることのないように、という意味も込めました。
イカロスの神話を読み返したくなってきました。