Inspiration Theater
Air New Zealand | Men In Black
今週は昨年(2015)、ニュージーランド航空(NZ航空)が映画「メン・イン・ブラック」とコラボして作られた機内安全ビデオでをご紹介します。
NZ航空はこれまでもユニークな機内安全ビデオを製作するエアラインとして有名で、今回もそのクオリティの高さから大きな話題となりました。
圧倒的なクオリティ
何かをモチーフにしたパロディはよく使われる手法ですが、オリジナルと比較して再現性が低い場合や、クオリティが著しく劣る場合はかえって残念な印象になってしまいます。しかし、このビデオではそこまでやるかというほどのクオリティで原作の世界観を再現しています。
同映画(1作目および2作目)でチーフの“Z”を演じた俳優のリップ・トーンは同役で登場し、“ニュージーランド航空から乗客の安全確保を支援する依頼”を受け、オールブラックスのメンバーが扮するエージェント達に任務遂行を指示するストーリーになっています。
「メン・イン・オールブラックス」なキャスト
パロディを行う際、原作にない面白さをどこに出すかということがポイントになりますが、このビデオの場合、キャストにラグビーNZ代表の「オールブラックス」の選手をエージェント役に、さらに元オーストラリア代表の選手や元イングランド代表の選手が宇宙人役として登場しており、ラグビーファンにとっては更に見所の多い映像になっています。
オールブラックスは昨年のラグビーW杯でも優勝しており、まさにタイムリーなキャスティングになったとも言えます。
機内安全ビデオを旅の楽しい体験の一部に
エアラインが提供できるバリューの一つとして「機内の体験も、旅の一部」という考えがあります。NZ航空はどうやったら渡航客に「機内の体験を楽しくして、全体的な楽しい旅体験」を提供できるかを考え、ともすると退屈になってしまいそうな機内安全ビデオを、インパクトのあるものに変化させたことにブランディングとして大きな意味があると言えます。