ディレクターの視点 シェルフ雑記 vol.1
弊社デザインディレクター、森山による「シェルフ雑記」。少し長くなりますが、お楽しみください!
シェルフ雑記 vol.1
海外でスーパーマーケットの棚を見ていると「PBめちゃカワイイ!」と思う事があります。特に欧米ではここ数年のリニューアルでカワイさアップ、パケ買い したいPBが増えてます。では同じくリニューアルされた日本の大手スーパーのPB達は?と棚を見ると、そこには全く違った魅力が。
そもそもスーパーの規模も流通事情も文化も違うし、PBの比率も違う(欧米のスーパーは日本よりPB比率が高い)ので、そこは抜きで見た目のみの話です が、欧米のPBに感じるパケ買いしたい魅力は、要するに愛嬌です。デザインに統一感や機能面を求められがちなPBにおいて、相反しそうな愛嬌、遊び心と いったパーソナリティがあるというのはすごく面白い!
対して日本のPBデザインの魅力は、超合理性でしょうか。必要最小限の要素を、統一されたシンプルなフォーマットで構成していて、非常に無駄が無い。かと いって無機質すぎてマズそうには見えないさじ加減。脱個性による個性によって棚で一目で分かるので、PB狙いの品目やブランドにこだわりを持っていない品 目の場合、買い物にストレスがありません。以前はもう少しNBのデザインに近い印象でしたが、今のPBの認知度・信頼度とスーパーマーケット自体のブラン ディングからリニューアルを考えたらこうなった、という事でしょう。
80年代PBデザインブームの先駆けとなった無印良品のシンプルなデザインから、変化しつつ一周してまたシンプルに戻った事は、日本人の根っからの嗜好(思考?)を表しているようにも見えます。
近年のPBデザインリニューアルで、欧米と日本ではちょっと方向が違いますがPB強化という流れは同じです。プレミアム、バリュー、ヘルシーとどんな風に強化されてスーパーの棚が変わっていくのか、興味は尽きません。
出典:monoprix.fr / mathem.se / target.com / tesco.com / walmart.com / 7andi.com / aeonshop.com / seiyu.co.jp