Creative lab: Graphic Elements 伝統と展開 は、
トラディショナルな民族文様やその他の意匠からインスピレーションを受け、それを再構成や展開する試みです。
今回は日本の北方先住民であるアイヌ民族の着物や祭具につかわれる<アイウシ文>に注目して展開してみます。
アイヌ文様のなかでも代表的な文様、アイウシ文。
Creative lab: Graphic Elements 伝統と展開 は、
トラディショナルな民族文様やその他の意匠からインスピレーションを受け、それを再構成や展開する試みです。
今回は日本の北方先住民であるアイヌ民族の着物や祭具につかわれる<アイウシ文>に注目して展開してみます。
アイヌ文様のなかでも代表的な文様、アイウシ文。
意味の説として
1. 組み合わせによる家系表示説
2. 形が植物の刺を表し外的から守る魔除け説
とされ着物の袖や襟などの開口部に使用されたり、祭具にも刻まれています。
また、別のアムール河流域の民族がこれと似た文様用い、そちらはニワトリの足の象徴だとする研究もあるようです。
詳しくはわかっていませんが、個人的に非常に興味を惹かれる文様であり、このグラフィックエレメンツから永続性というキーワードと美しさを感じます。
調べて行くうちにアイウシ文は非常に多様な組み合わせや比率があること気づき、家系表示説も信憑性も感じてきます。
まずは手持ちの資料にあるアットゥシと呼ばれる着物に施された刺繍を参考にして、イラストレーターで作図してみました。
身が文様から感じた永続性を残す為に直線部分は少し長く、
そして文様の刺部分を強調するため、あえて中心を通る線を太く表現しています。
着物から再構成した基準をもとに今度は、私たちの生活に欠かせない食器に展開していきます。(ただし、ここからは手作業になるので正確な比率ではなく、アナログ作業にまかせています)
ご飯茶碗を手捻りで成型し、素焼きしたものに絵付けをしていきます。
色は着物にある伝統色に近い顔料、釉薬は石灰系の透明釉を使用し2パターンを制作しました。
本焼きをし、完成したご飯茶碗がこちらです。
並行して、コーヒーカップも作ってみました。
いかがでしょうか?
個人的には「器は料理の着物」という言葉を残された、かの有名な芸術家へのオマージュでもありますが、
これで、伝統的な着物を着ずともこの文様とともに現代生活を送れるという展開の試みでした。
Keiju Sasaki / Implementation Designer