Studio Visit: SEMBA

「良いアイデアは素晴らしい環境から生まれる!」

ランドーはクリエイティブに対するこだわりと同じくらいスタジオ環境にもこだわっていますが、他のスタジオはどうなんだろう?どんなこだわりを持っているのだろう?そんな疑問から始まったのが、この企画。素晴らしいスタジオ風景を定期的に紹介しています。

第4回は「株式会社 船場」。ショッピングセンターや百貨店などの商業施設から病院などの医療施設まで幅広い分野の空間創造を手掛けている同社が、本社を港区芝浦へ移転したのは2013年。空間創造のプロがこだわりを持って作り上げたオフィスをぜひお楽しみください!

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受付のある9階に上がると目に入ってくるのが「SEMBA」のロゴ。企業理念である「サクセスパートナー」を2つの矢印が重なる「M」で構成することで、共に成長し繁栄する未来への挑戦を表現しているそうです。

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エントランスを入ると木のぬくもりを感じる暖かで開放的な空間が広がっています。

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受付の飾り棚も天井いっぱいに広がり、会社というより商業施設のような雰囲気です。

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受付から広がる飾り棚にはコーヒーマシンが設置され、ハイチェアーとテーブルもあるのでつい長居したくなってしまいます。設計当初に「家のようなカフェのような一人でのんびりできる空間」を意識されたそうですが、受付から既にその想いが感じられます。

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今回案内してくださるのは、設計エンジニアリングDIVのシニアデザイナー 成富さん、SC総合開発研究所のマネージングディレクター 福島さん、企画開発DIVのシニアデザイナー 恒行さん。このオフィスの空間設計を推進された方々です。

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広い空間の中央でアクセントになっているのが、木のフレームで構成された個室タイプの打ち合わせスペース。このスペースは移動可能で、目的に合わせて繋げたり空間の仕切りとして利用できるそうです。イベントも頻繁に開催されるそうなので重宝しそうですね!

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暖かな木の空間から奥に目を向けると、照明も内装もガラッと変わった空間があります。

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ラウンジのように落ち着いた空間ですが、単に全てが変化するのではなく飾り棚がそのまま繋がることで、変化と調和のバランスが絶妙なハーモニーを醸し出しています。

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窓から海が見えるのも、まさに「船場」という感じで、同じ海つながりのランドーとしては羨ましい限りです。

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ソファーはあえて統一せずバラバラに。打ち合わせスペースの椅子もそうですが、様々な椅子やソファーを試すことがより良い提案に繋がるとのこと。実はランドーも同じスタイルに変えたばかりだったので、タイムリーな繋がりに驚きと嬉しさを感じました。

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繋がりのある飾り棚と一体となったMTGスペースへの動線。

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天井も壁も白いシンプルな空間に見えますが、照度や色温度を細かく調整できる実務に即した仕様となっています。

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壁面には原寸の目盛が設置されており、提案する家具や仕様の高さもその場で確認しイメージすることができます。

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ソファースペースの更に奥には「KNOWLEDGE」サインのスペースがあります。

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ぎっしり並べられた見本の数々は圧巻です!

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単なる書庫ではなく、デザインや打ち合わせもできる広いスペースもあります。オープンな空間から少人数のクローズドな空間、一人の空間から会話が生まれる空間へと構成されていますが、最後のインタビューで「クリエイティブな仕事だからオープンに人と話す時と一人で集中する時で求めるシーンが違う。オフィスの中に選択肢があることが重要」と伺い、大変腑に落ちました。

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社内スペースは別の階にワンフロアで構成されています。以前は階が分れていたり他部署とのコミュニケーションが難しい側面もあったそうですが、移転してからは部署を超えて同期でお昼を一緒にとるなど今までにない交流が生まれているそうです。

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窓側には多くのテーブルがあり、会議室を予約しなくても気軽に話し合いができます。「クリエイティブは一人でまとめることも大事な作業だが、会話を重ねることでブラッシュアップされる、会議ではなく会話のシーンが重要」と話されるのも頷けます。

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移転にあたり、如何に人が集まってくれるスペースを作るか、仕事で培ったリテールメソッドの知識をオフィス空間に活かす試みが当初からあったそうです。良い成果が出ている反面、あえて課題をあげるとしたら「運用の構築」。ある程度長いスパンで戦略的な運営ができる体制を構築してこそ、はじめてオフィス空間としての本当の成功があるのではという言葉が印象的でした。そのためには、ブランドとしてどのような体験をオフィスとして訴求したいのか、また社内でしっかり運用するためにはデザインに想いを込めるだけでなく、使い方に関して明文化することも大事だと言われました。移転から4年が経ち、運用に対する課題と向き合うことでオフィスの進化と共に、「価値ある空間」作りもますます発展することでしょう。

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SEMBAの皆さん、貴重なお話と時間をありがとうございました!

http://www.semba1008.co.jp/

Creative Director

記事:Yosh Oshima / Creative Director

写真:Shohei Soeda

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