「良いアイデアは素晴らしい環境から生まれる!」
ランドーはクリエイティブに対するこだわりと同じくらいスタジオ環境にもこだわっていますが、他のスタジオはどうなんだろう?どんなこだわりを持っているのだろう?そんな疑問から始まったのが、この企画。素晴らしいスタジオ風景を定期的に紹介しています。今回は趣向を変えて、オフィスを提供する側の視点をお伺いしました。
第7回は三井不動産が展開するサービス、法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリングSHARE」。多様化する働き方に対応するシェアオフィスは、一般的なオフィス環境とどんな違いや工夫があるのでしょうか。
JR新橋駅から徒歩3分、他4線利用可能で徒歩5分以内と、アクセス抜群の立地に佇む超高層オフィスビル「汐留シティセンター」の2階に「ワークスタイリング汐留」があります。2017年より展開している「ワークスタイリング」は現在、全国に約30拠点を展開しており、契約企業であれば誰でも利用できるという、昨今の新たな働き方の実現に貢献されています。
契約企業の方は専用のWEBアプリを使って入館手続きを済ませます。WEBアプリを使うことで、どこの会社のどこの部署の誰が何時にどこの拠点に入ったと全て記録され、勤怠管理も同時に行えるという、セキュリティの品質を存分に高めた非常に画期的な仕組みになっています。
受付にはPCの周辺機器や電源など、ビジネスに必要なものは全て揃えられています。綺麗に整頓されていて見た目も美しいです。
受付から先へ進むと、目に飛び込んできたのは、コーヒーやお菓子が並ぶコーナー。実はこれも料金に含まれているとのこと。
奥へと広がるワークスペース。ワーカーの使用目的や用途に応じて選べる様々な席がワンフロアにまとめられています。
有孔ボードの壁には大胆なグラフィティアートと、アウトドアギアが並ぶ遊び心たっぷりなつくり。床には玉砂利が設けられ、和のテイストがモダンに取り入れられています。
中央フロアを囲むように壁側に、事前予約が可能な個室が設置されています。テレフォンブースなども備えられ、機密内容に対する対策も万全。本当に大事なことがあれば、個室を予約して会議をすることや、1人で集中したい時に使用できます。
体調が優れない方や、夕方のお化粧直しにも対応している「CHANGE ROOM」。女性にも配慮した細かい気配りが感じられます。
突如現れるクライミングウォールともう一方の壁に現れた不思議な窓。実は、小上がりに隠れた和室。会議にも使えて、くつろぎスペースとしても使えます。もともとは、割烹だったスペースをリノベーションしており、残すところは残してコストダウンも図っているそうです。「もともとが和の場所だったので、和のテイストをうまく生かした新しい空間造りをしようと思いました。そう考えたときに、和とうまく馴染む新しい組み合わせとして、アウトドアがおもしろいのではないか、という思いがあるんです」」と、プロジェクトご担当の川路さん。空間を見渡すと、和室があったり、アウトドアチェアが並べられたり、見事に和とアウトドアが融合された空間は一つの空間として違和感のない作りとなっています。
上: アウトドアチェアが並ぶ小上がりのフロアの床には“LET’S CHANGE THE MOOD”の言葉が。オフィスでありながらオフィスを感じさせない自由な発想が仕事をより一層捗らせてくれそうです。
下:クライミングウォールからみたエントランス方向に抜けた導線が空間の広がりを感じさせます。
ステンレスの天板を使ったラグジュアリーなキッチン。アイランド型になっているため、眺めも抜群。
中央にある焚き火を囲むスペースは掘りごたつ形式になっていて、大人数で焚き火を囲んで話ができ、まるでキャンプファイヤーのようです。アフターミーティングや、談笑の場として最近では利用も増えているそうです。また、こちらの施設には天井から間接音を出すことによって周囲の会話漏れやプライバシーが守る「サウンドマスキングシステム」が採用されており、ワンフロアのオープンなスペースでありながらも周りの声が気にならない仕様になっています。まさに、企業にとっての1番デリケートな部分を全てカバーされている理想のオフィスです。
こちらは、テレビ会議システムが設置された和のミーティングルーム。各拠点に設置されているテレビ会議システムとワンタップで繋ぐことができます。受付で他の拠点との接続をリクエストするとすぐにスタートすることができるそうです。会社に寄る時間がない場合は、近くの拠点に寄ればすぐに応対が可能という画期的なシステムです。
実は中身は漫画、な本。ビジネスのビタミンになるような漫画がセレクトされていて好奇心が掻き立てられるようなコーナーです。
無造作に置かれたバランスボール。イベントなどにも使用するそうです。「朝、ストレッチのイベントをやったり、オンとオフの融合で、なるべくいろんなことに気づいていただきたいということで置いています」と話すプロジェクトご担当の川路さん。
なんとこの喫煙ブース、「全く臭いがしないのです」と教えてくださり、中へ入ってみると本当に無臭空間。喫煙される方にもされない方にも嬉しいサービス! 外まで喫煙しに行く必要がなく、時間を短縮できるということも考慮されています。
機密文書を投入するだけで破棄できる溶解ボックス。専用のカバーもあたたかみのあるデザインに。こちらも時間短縮を考慮したこだわりのサービス。
それぞれのワークスペースに置かれているステーショナリーはコンパクトにまとめられ、かゆいところにも手がとどく嬉しいサービス。話を伺っていると、利用者の要望や改善点が毎週のようにあがってくるそうです。例えば、“外出したい時にPCをしまうのは置きっ放しにするのが怖いから”という意見を“I’ll be back.”とかかれた布をかける、ということで改善。また、汗拭きシートが欲しいという要望にはステーショナリーボックスに備えるという形で応えたり、ホワイトボードのペンを変えたり、利用者の声をすぐに反映することで、一層働きやすい環境を実現し続けているのだそうです。「ハード面を変えようとすると営業ができなくなってしまうので、なるべくソフト面で改善できることはしている」と川路さん。
ワークスタイリングの一番のこだわりを聞くと、「いろんなビジネスシーンに対応するようにできている。例えばカラオケボックスでも仕事はできるんです。遮断されていて、セキュリティが高くて、ネットがあって、でも打ち合わせがしづらいですよね、リラックスもできない。チームで仕事をするからこそ、窓がある場所に移ったり、ラフに話したり、会議をしたりできる機能が備わる必要があるのです。一人の仕事スペースであればコワーキングスペースを借りればいいんですが、チームで仕事をするオフィスとしての機能をかなり意識して会議室とか、ミーティングスペースをつくっているというのが、最大の違いだと思います。」という。
「将来は、さらにオフィス活動が融合していく中で、やれる手立てがたくさんあるのでかなりの連携先があり、新たな試みも考えていけそう。やりたいことはたくさんある」と川路さん。
「ワークスタイリングSHARE」はその他「FLEX」、「STAY」というサービスも展開しており、益々その域を拡げていっています。ビジネスワーカーにとって、まさにチームで働くオフィスであり、自由で柔軟な働き方ができる最適な場所であることを感じました。そこに付随する画期的なシステムやテクノロジーでさらに多様化するワーキングスタイルに対応していくといった常に変わり続けていく唯一のオフィスでした!